Vanilla Sky Recordsは6月で10周年を迎えます。
全国流通アルバムを約30タイトル、ほかDVDや会場限定アイテムを加えると
100タイトル以上の作品を発表して来ました。
これは多いのか少ないのか・・・よくわからないです。
10年間で「儲かったのか?」と訊かれると正直なところ「儲かってないです」
「音楽界の何かを変えられたのか?」との問いかけにも「何も変えられなかったかもしれない」としか応えられません。
でもね、出逢った沢山のアーティストやスタッフ、そのファン達は
本当に一生懸命で、キラキラした本気のパフォーマンスを見せてくれた。
その名もなき叫び声に、何度も何度も胸を打たれた自分自身がいました。
10年間で何かを変えられたのか・・・何も変える事が出来なかった。
「でも、俺自身はちょっと変わったぜ・・・」って、それだけは言えます。
それは、この会社を始める前の事から続いています。
メジャーレコード会社から離脱。
そしてヨシケンのとしての活動を支えてくれた事務所やスタッフからも
離れ、俺はひとりぼっちになっても不思議じゃなかった。
でも、何故か若い連中が慕ってくれて、集まって来てくれた。
Vanilla Sky Recordsが出来て以来
来る日も来る日も、ライブハウスからストリートから声を上げる
名もなきシンガーたち。
こんな小さな会社のスタッフなのに、大手プロモーターに食ってかかり
一歩も引かないスタッフたち。
事務所を借りて、デスクを配置。
制作ミーティングもさいしょは真似事にすぎなかったけど
今では資料も立派で、ちゃんとした会議になってる。
真剣さのあまり、怒鳴り合いになることもしばしば。
そうなんだよ、みんなMusic Lifeを生きたいんだ。
無名だろうが年齢が若かろう(反対に年をとっていようが)が関係なく。
その一瞬の輝きが、俺の好きな音楽の魅力なんだ・・・
そんな出来事やのひとつひとつが、俺に勇気を与えてくれました。
心から感謝したい(もちろんファンや、その他の協力者の皆さんにも)
人間年齢を重ねると打算というものが生まれます。
「報われない努力は無駄」という考え。
でもそこと戦って乗り越えてこそクリエイティブだと思うのです。
「自分たちが創りたいものを、自分たちの手で。
そして、それをオーディエンスの前で最高の笑顔で胸を張って歌う。」
レーベル10年で手にした主義は奇しくも高校生の俺が
「ロックの定義」として掲げたものと同じではないか。(成長が無いのかひと周りしたのか・・・)
10周年LIVEは、これから俺たちが音楽産業の片隅で
音楽文化の路地裏で、小さくとも何が出来るのか
何がやりたいのか、その片鱗を示す事の出来る公演にしたいと思っています。
燦々と輝く太陽になれなくとも、夜空を一瞬瞬く流星にならなれるかもしれない・・・
弊社の名前のゆえんである明け方の空に想いつれづれに。
Vanilla Sky Records代表 ヨシケン
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